20130218

兵ちゃん



ミジンコの繁殖方法について

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 インターネットでミジンコを大量に購入する事ができました。今回は、ミジンコの繁殖方法について比較してみたいと思います。



1.ミジンコの名称

 今回入手したミジンコは「天然赤ミジンコ」という商品名で売られていました。残念ながら勉強不足で学術名は不明です。体長は2mm前後、良く見ると赤い色をしています。本で読んだ話ですが・・「低酸素環境ではヘモグロビンを作って赤くなる・・」と言うのを読んだのですが・・・これがそれ?よく解りません。


ミジンコの繁殖法方について


2.天然赤ミジンコの飼育環境

 購入した時の話では・・・次の3点だけです。それでも天然赤ミジンコ120gと、これだけの量を飼育できるという事は、優れた飼育環境だったのではないかと容易に推測できます。自然環境に近く人工飼料も与えての複合環境だということです。しかし、今回は、あえて飼育環境を変えて繁殖環境の実験をします。


1

ミジンコは、屋外の日影場所で管理してください。

2

容器に付属の生息水・腐葉を入れ12回程かきまぜてください。

3

2日置きに市販のメダカのエサをすり潰してあたえてください。



3.様々な飼育環境

 ミジンコを飼育するには様々な飼育環境が試されて繁殖をさせていますが、それぞれの飼育環境は次のようになります。



飼育方法

説明

備考

1

自然に近い環境

ミジンコは、屋外の日影を選び容器に腐葉を入れ12回程かきまぜる。


2

ミジンコ用エサ

ミジンコの飼育用に作られた人工飼料「ミジンコ君」を使う。2Lのペットボトルの半分ぐらいに水を入れる。エサをやる時は1日に12回、耳かき1杯程度をやる。

エサ代がかかる。

3

ワラの煮汁

10cm分のワラを1cm長にカットし、300400mlの水に入れ、2〜3分間煮沸して雑菌等を殺します。煮沸することにより納豆菌以外の雑菌が死滅し、熱に強い納豆菌の芽胞が残ります。 室温まで冷えてから、空き瓶(口が広いものが使いやすい)にワラごと液を移し、2〜3日、室温で放置する。熱耐性の枯草菌の胞子が発芽して増える。納豆菌が飼育水にしみだすと水が茶色になります。


4

クロレラ

クロレラと液体肥料を少量づつ添加して飼育ケースを日光のあたる場所に置き、光合成をしてクロレラを増殖させる。増えたクロレラをエサにしてミジンコを繁殖させる方法です。インフゾリアを併用すると栄養価が良くなるやり方です。


5

乾燥鶏糞

鳥類の糞はアンモニアが格段に高くアンモニアがミジンコの飼育に必要であるというやり方です。容器は1530L前後を使います。孵化したミジンコの子供が確認できたら鶏糞をほんの一つまみ程度入れます。(やりすぎますと水が腐ります。)うまくいくと、増殖が始まります。程無く増殖が止まります。それはエサ不足と思われますので、今度はほんの一つまみの鶏糞を入れてください。その後は、その繰り返しとなります。

このやり方は研究所等で採用されている方法で本にも記載されていました。

6

発酵鶏糞

乾燥鶏糞と比較すると臭いが無く扱いやすい。使い方は発酵鶏糞をパチンコ玉ぐらいの団子にし乾燥したものを2リットルペットボトルで半分〜1個ぐらい。水が薄い色になるか、ミジンコが底に固まり出したら追加の鶏糞団子を入れる。(粉ままで5ccぐらいまで)


7

ドライイースト

少量のドライイースト(小さじの先、あるいは耳かき一杯程度)。ドライイーストの入手はスーパーや百円ショップで買うことができます。




4.実験の方法

 実験にはおおよその一定した分量で経過を観察する必要があると思います。共通した環境として容器は2Lのペットボトルに半分水を入れます。そこへ「天然赤ミジンコ」を耳かき1杯づつ入れます。どの飼育方法でも水中の溶存酸素を供給するためにシェイクする必要があります。それぞれの実験方法は次のとおりです。その他、温度は冬の室内で行います。



飼育方法

条件

備考

1

自然に近い環境

腐葉を入れ12回程かきまぜる。


2

ミジンコ用エサ

「ミジンコ君」という飼料を1日に1回、耳かき1杯程度をやる。水が透き通ったらエサを与える。少し白くなる。


3

ワラの煮汁

飼育水の色を見ながらワラの煮汁を追加する。必要ならインフゾリアを追加する。水が茶色くなる。


4

クロレラ

飼育水の色を見ながら液体肥料を少量づつ添加する。水が緑色になる。必要ならクロレラを添加する。


5

乾燥鶏糞

増え具合を見ながら乾燥鶏糞を与える。 茶色くなる。


6

発酵鶏糞

飼育水の色を見ながら発酵鶏糞を与える。茶色くなる。


7

ドライイースト

増え方を見ながらドライイーストを与える。薄く白色になる。ドライイーストを1週間で耳かき2杯与える。




5.経過観察

 実験中に色々とアクシデントがあり中断ややり直しがありました。



飼育方法

事象

処置

1

自然に近い環境

実験から1週間で水を腐らせミジンコは全滅

腐葉が多すぎた中断した。

2

ミジンコ用エサ

セットして2週間でエサのやりすぎで腐らせてしまい全滅した。

再度やり直し

3

ワラの煮汁

セットして次の日にミジンコ全滅。

再度全滅した。インフゾリアがわいていた。

煮汁を薄めて様子を見る。

中断した。

4

クロレラ

セットして3週間で全滅


5

乾燥鶏糞



6

発酵鶏糞

セットして3週間で全滅


7

ドライイースト

量を入れすぎ3日でミジンコ全滅してやり直してOK

水を入れ替えやり直し。



6.繁殖結果

 1月という寒い季節で条件があまり良くなかったのですが1カ月後の繁殖の違いは次のとおりです。



飼育方法

気が付いた点

増えた

備考

1

自然に近い環境

あまり手間はかからないが難しい。



2

ミジンコ用エサ

毎日、決まった量のエサを与えなくてはならず手間がかかる。


3

ワラの煮汁

あまり手間はかからないが難しい。



4

クロレラ

あまり手間はかからない。1月という寒い時期に観察したせいかクロレラの増殖が追いつかない。



5

乾燥鶏糞

あまり手間はかからない。


6

発酵鶏糞

あまり手間はかからない。



7

ドライイースト

あまり手間はかからない。




7.考察

 乾燥鶏糞とドライイーストがミジンコも増えて結果が良かった。発酵鶏糞でも別のミジンコでは増えているので、さらに観察する必要があると思いました。自然に近い環境は、一番簡単そうで難しく微生物の増殖と腐らせるバランスが微妙で上手くできませんでした。熱帯魚のエサにするのだったらドライイーストが清潔にミジンコを育てる事ができる事が解りました。あと実験をするのに耳かき1杯のミジンコではアバウトすぎて比較するのが適当になってしまった。ピンセットやスポイドで何匹か決めて実験をした方が正確にできたのではないかと思いました。




 今回の実験では、寒い1月の気候で室内ながらも寒くいまひとつ環境は良くありませんでした。でも、そんな条件の中でもドライイーストの状況が良かったので、次は、ドライイーストで実験をしてみようと思います。ミジンコを繁殖させる時の参考になれば幸いです。



参考URL


色々

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