2021年02月18日
兵ちゃん
インターネットを各部屋で利用する手段について
最近の住宅事情では木造だとWi-Fiの電波が各部屋に届きやすくて良いのですが・・そうでない場合はプロバイダーが提供するWi-Fiルーターからどうやってインターネットの回線を利用するかを色々と考えて試す必要が出てきます。そこで今回はインターネットを各部屋で利用する手段について紹介したいと思います。
1.有線で引く場合
有線で引く場合は家に色々な配線を引くためは次の方法等あります。
方法 |
特徴等 |
製品例等 |
配管を使う |
配管は一般的なコンセントのパネルの奥に通してあり壁の中を通っている配管の事で家を建てる時に予め配管をつけていないといけません。後付けで配管を付けるのは難しいものです。また別の配線が使っていると更にLAN配線を通すのは難しいかもしれません。配管にLANケーブルを通すのはプロバイダーでやってくれる所もあるようですが一般の電気屋さんでも引いてくれます。家を建てた時に図面で配管図があるとここの部屋からこちらの部屋までLANケーブルを引いてくれと相談すれば見積がしやすいようです。配管がどこまで繋がっているか調べるには「導線」と呼ばれるワイヤーを配管に通して確認する方法がとられます。上手く有線のLANケーブルが通れば出口の部分はコンセントの部分にLANケーブルを刺す情報コンセント用RJ-45モジュールを付けることができ必要に応じて抜き差しできるようになります。一番キレイで使いやすいのがこのやり方になります。 |
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露出配線 |
配管を利用できない場合や簡単にLANケーブルを引きたい場合に使われます。見栄えを気にされる人には向きません。 |
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既存配線を使う(テレビ配線:同軸ケーブル) |
建物に配線されているアンテナ線である同軸ケーブルを使うもので機材としてはケーブルモデムが使われます。ケーブルモデムには親機と子機があって元々はマンションやアパート等の集合住宅を想定して製品が作られているようです。集合住宅を想定した物だけに親機にインターネットの回線を接続したら子機で利用するのですがパソコンを使ってLANカード等で作る相互接続可能なネットワークを基本的に作れません。インターネット回線のスピードは製品にもよるようですが1Gbpsまではでるようでかなり速いインターネット回線を部屋に引くことができるようです。問題は親機が取り付けられるかとそこまで有線でLANケーブルを引っ張ってインターネット回線を繋げられるかです。親機にインターネット回線を接続しなくても子機と子機でネットワーク通信ができる物もありますが親機が必要で子機と子機の間の通信速度は70Mbps〜95Mbpsと極端に遅いものになってしまいます。あとケーブルモデムを使っても並行してそのままテレビ放送は視聴できるようです。 |
製品例としてはDXアンテ製で製品を作っていて1Gbpsをするには親機DXアンテナ ECG12M1と子機DXアンテナ ECG12T1又はWi-Fiの電波を出すDXアンテナ ECG12W1Sを使う。簡易的で子機間通信をするなら親機にも切り替える事ができるDXアンテナ EOC10C01を使う。 |
既存配線を使う(電気配線:100Vのコンセントを使う) |
PLCアダプターと呼ばれる機械をコンセントに差し込みます。LANポートが付いていて入口ではWi-Fiルーターから有線でLANケーブルを接続したり出口ではアクセスポイント(AP、ブリッジ)を接続、又はパソコンを有線のLANケーブルで繋いだりして使います。問題は家の中を配線されている電力配線の同一回路上にないと使えない。基本2つで1組で使われます。古い家等では1階と2階で使えていたようですが新しい家等ではフィルターが入っていると使えない。ブレーカーをまたぐと使えない様です。使い方はWi-Fiの電波を通さない壁を通す事に使われるようです。通信速度は使用環境によりまちまちで環境が良いと200Mbpsまで出るようですが使うのが難しいものとなっています。 |
製品例としてはTP-Link製が製品としてあります。TP-Link PLCアダプター TL-PA4010 KITと片方にWi-Fiの電波を出すTP-Link WiFi 中継機 PLCアダプター TL-WPA4220 KITがあります。 |
2.無線(Wi-Fi)で引く場合
無線(Wi-Fi)で引く場合は次の物があります。有線で引く場合はケーブルを引くための工事が必要となりますが無線で引く場合は工事の必要はありません。しかし有線のLANケーブルで繋げる場合は考えなくても良いのですがWi-Fiの電波を使う場合は飛距離要因と電波干渉要因とを考える必要がでてきます。特に2.4GHzを使った場合はチャンネルが混んでいるのと遠くまで電波が届くという性質がありチャンネルがかち合って電波干渉要因で繋がりが悪い途中で途切れると言った場合もあります。5GHzを使っている場合は繋がると速いのですが障害物に弱くご近所の電波が飛んできて電波干渉を起こしにくいのですがあまり飛びません。飛距離要因で繋がらない事があります。使用環境によっては2.4GHzの使用をやめて5GHzを使うようにする必要があるかもしれません。そういった要因を含めて解消するには次の方法があります。
方法 |
特徴等 |
製品例等 |
Wi-Fiルーターを追加 |
プロバイダー等で提供されるWi-Fiルーターは飛びが悪い事もあります。飛距離要因で考えると市販のWi-Fiルーターをアクセスポイント(AP)やブリッジのモードにしてプロバイダーが提供したWi-Fiルーターと有線のLANケーブルで接続して使います。これだけでWi-Fiの電波が届かなかった部屋でも届くようになることがあります。注意するポイントは2重ルーターにしない事です。2重ルーターの状態だと繋がりが悪かったりまったく繋がらない事もあります。また、今度は電波干渉の面で考えるとデフォルトでの設定は2.4GHzのチャンネルを余計に使う物もありWi-Fiの繋がりにくい環境で使うと逆にご近所までWi-Fiの電波が届いてしまいご近所の家でWi-Fiが繋がらなくなる事があります。設定の仕方はスマフォのアプリで設定するものやパソコン等のブラウザにアドレスやIPアドレスを入力して設定画面を開き設定します。 |
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中継器 |
プロバイダーが提供するWi-Fiルーターや市販Wi-Fiルーターを親機と呼び中継器を子機と言ったりします。親機に対して子機である中継器が使えるのは基本1台までです。2台使ってしまうと通信環境が不安定になり繋がらなくなる事があるようです。中継器は親機のWi-Fiの電波が辛うじて届いている所に設置し親機のWi-Fiの電波が届かない所にさらに中継器からWi-Fiの電波を飛ばすように設置します。繋げるWi-Fi機器(スマフォやパソコン)の使い方は親機の近辺では親機のWi-Fiの電波を手動で操作し設定で選んで接続し子機の近くでは中継器のWi-Fiの電波を一々設定で選択して自分で手動で選択して接続します。物によっては親機と子機がWi-Fiの電波の名前が同じ名前(SSID)になる物もあるようですが人が見たら同じに見えるのですがWi-Fiの電波使う機器では別の電波としてとらえているので子機で繋がっているつもりでいたら離れたところにある親機の電波を受ける設定になっていて繋がりが悪かったと言った事もあるようです。電波の強さによって自動で切り替われば良いのですがそこまではできないようです。あと中継器の物によってはLANポートが付いている物もあり中継器を置いた位置からさらに先に有線のLANケーブルを使って伸ばす事ができる物もあるようです。価格的には安く導入しやすい物でプロバイダーや電気店等でもおすすめするのは大体中継器をおすすめされます。 |
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メッシュWi-Fi |
新しい物でWi-Fiルーターから有線のLANケーブルで接続した物を親機モードにしアクセスポイント(AP)やブリッジの設定で動かします。残りの物を子機モードで動かします。家全体の機械が全体でリンクして動きます。全体の動作の設定は親機モードで動いている機械に対して行えばリンクしている子機モードで動いている物も同時に設定できるようです。設置の仕方は中継器のやり方と少し変わりWi-Fiの電波を通したいところを挟むように置いたり家の中をここから先が弱くなる手前でどんどん設置していきます。複数台設置する事ができます。中継器と違いは中継の中継ができます。沢山の端末を子機モードで動かして繋げる事ができます。数珠つなぎのような設置の仕方もできます。メッシュの名前が使われている通りに網の目状に張り巡らせる事ができます。また途中に有線のLANケーブルで接続する事でWi-Fiの電波を使うよりも高品質な回線で繋ぐ事もできます。使い方は中継器を使う場合だったら親機の近くとでは親機のWi-Fiの電波を選び中継器の近くだと中継器のWi-Fiの電波を一々手動で選択して使わなければいけませんでしたがメッシュWi-Fiの場合は一度Wi-Fiの電波を選択すれば親機の近くでも離れた所の子機のWi-Fiの電波を使っていても再度選んで繋げる必要はありません。物によってはローミングの機能が付いた物もあります。機能で見ると非常に優れた物なのですが問題点は中継器に比べると価格が高くなる事、Wi-Fiの電波の通りが悪い家だとその分子機モードで動かす端末の数が必要になります。あとメーカー依存が強く共通規格も出てはいるのですが1つのメーカーの製品を使った場合は増設するには同じメーカー製を使う必要があります。メッシュWi-Fiの規格もいくつもでていますが規格により使える機能に大きく差があります。それとまだ異なるメーカー製品どうしでメッシュWi-Fiのネットワークは構築できないようです。それとプロバイダーによってはプロバイダーが提供するWi-Fiルーターに接続しても良いけれどもサポートはできないと言っている所もあるようです。あくまでも新しい物なので使用者が自分で責任を持って使ってくださいというスタンスがとられているようです。それと購入する際にはメッシュWi-Fiの製品では採用されている規格のバージョンにより使える機能と使えない機能があります。「メッシュWi-Fi」と書いてあっても選ぶ際には製品の機能比較ができる物で見て使いたい機能が使えるか確認してから購入する必要があります。選ぶのが難しい製品だと言えます。 |
TP-Link Deco M5 V2等 |
簡易メッシュWi-Fi |
構成品はWi-Fiルーターを親機として使い中継器を子機として使いますがWi-Fiルーターは対応製品を使う必要があります。物によってはファームウェアのアップデートで使えるようにできる物もあります。子機の中継器は専用の対応した中継器を使う必要があります。子機である中継器は基本1台までのようです。メッシュWi-Fiの様に子機をいくつも使えません。非対応のWi-Fiルーターと中継器ではWi-Fiルーターの近くではWi-Fiルーターの電波を使い中継器の近くでは中継器の電波を一々手動で選択して使わなければいけませんでしたが簡易メッシュWi-Fiの場合は一度Wi-Fiの電波を選択すれば親機のそばでも子機のそばでもそのまま使うことができます。この機能の部分がメッシュWi-Fiの機能が使えるようです。メッシュWi-Fiと同じく同じメーカー製で構成する必要があります。製品の位置づけとしては従来から使われているWi-Fiルーターと中継器の組み合わせに一部だけメッシュWi-Fiの機能が使えるようにした物と言えます。 |
TP-Link RE230 |
4.無線(Wi-Fiの電波)の見方
Wi-Fiルーター等の電波の出る具合は下の方にはあまり出ず周囲や上に向かって電波が強くでるようです。従って1階にWi-Fiルーターを置いて2階で繋げたい場合は真上の部屋へ中継器やメッシュWi-Fiの子機を置きます。そこから2階の部分に横方向へ向けてWi-Fiの電波を出して各部屋で繋げます。場合によっては階段の途中や階段の上がってすぐの所に設置する事もあります。パソコンでWi-Fi接続するとパソコンの筐体サイズが大きくその分アンテナも大きく感度が良くなるのでパソコンで接続できても筐体サイズの小さくアンテナが小さく感度の低いスマフォでは繋がらない事があります。Wi-Fiの電波が届いているか見る方法ではどの機器でも繋げれる位置を探すにはやはりお手頃なスマフォを使う方法が良いかもしれません。パソコンを使ってもスマフォを使っても電波が届いているか基準にするのが扇形のマークです。例えばWi-Fiルーターの電波がある程度届いている位置を探すのにスマフォの扇形のマークで見ながら探します。届かなくなる手前である程度届いている所に中継器やメッシュWi-Fiの子機を置きます。もちろんコンセントが使える位置で探せるのが理想的です。アマチュア無線等をした事があるとわかりやすいのですがWi-Fiで使われているアンテナにも周波数特性があります。物によっては2.4GHzの受信感度が一番よくした物や逆に5GHzに照準を合わせてこちらを一番受信感度が良くした物もあるようです。パソコン、スマフォ、テレビ等それぞれ受信感度が違いスマフォでは繋がらなくてもパソコンなら繋がると言った事もあります。受信状態があまり良くない環境でもどちらの周波数に合わせてWi-Fiのアンテナが作られているかでも受信できるかが変わります。飛距離要因で行ったら5GHzは繋がりにくいはずで2.4GHzなら繋がるのでは・・と思われても機器によっては逆に5GHzの受信感度が良いようにWi-Fiのアンテナが作られている場合は5GHzの方が扇形の受信感度が良い事もあります。あとWi-Fiの電波にはチャンネルがあります。Wi-Fiルーター等の電波を出す機器で使われるチャンネルが決まります。何も設定を変更していなければ空いてるチャンネルを自動で選んでWi-Fiの電波が出ます。このWi-Fiの電波が何チャンネルを使っているか見るにはソフトを使って見ます。パソコンでもソフトがありスマフォでもアプリがあります。ソフトでチャンネルの混雑具合を見たりチャンネルがかぶっていないかを確認しますがかぶっていればWi-Fiルーター等の機器に入り設定画面でチャンネルを変更します。Wi-Fiルーター等のチャンネルの変更をしても子機の再設定とかは無くそのまま使う事ができます。大体見方としてはこんな感じだと思います。
3.繋げ方
有線の場合も無線を使う場合でもやり方によってそれぞれの機能や制限があります。その部分をポイントとして押さえて考えていきます。場合によっては組み合わせて使う事もあります。またWi-Fi機器の場合では2.4GHzが一杯でもうチャンネルがかぶり使えない電波環境の事もあります。その場合は機器が全部対応していたら5GHzの電波に切り替えて使います。Wi-Fiで接続するにはそのように使う周波数を切り替える必要が出て来る事もあります。さらに中継器ではどうしても繋がらない場合は有線でLANケーブルを引いて使いたい部屋まで繋げるか工事をしないのならメッシュWi-Fiを使うしか方法は無いと思います。例としたら途中まで有線で引きそこから先は無線を使いパソコンやスマフォを接続する等の方法もあります。
4.考察
インターネットの接続環境も昔は有線のLANケーブルでパソコンを繋げる事ぐらいでしたが今となってはインターネットに接続する機器も増えて無線のWi-Fiで接続する物も増えてきました。無線を家の中で使うのだから家の作りを電波を遮るようにしたら良いようにも思えるのですがそうするとスマフォが電話として使えなくなるのでそれもできません。従ってなるべく有線を使うか無線のWi-Fi機器を使うのだったら影響の受けにくい5GHzの電波を使う方向へ行くしかないと思われます。また電波を使う部屋まで繋げるには家の作りに左右され中継器でだめならメッシュWi-Fiを使うしか無い様です。
今回の内容は、インターネットを各部屋で利用する手段についてでしたが家の中でインターネットに繋げる時の参考になれば幸いです。
参考URL等
Wi-Fiの範囲を広げる手段 TP-Link 日本 https://www.tp-link.com/jp/support/faq/2927/
色々