2021年02月18日
兵ちゃん
Thunderbolt 3 について
職場のパソコンにThunderbolt 3のコネクターが付いていてUSBのコネクターとどう違うのか?という所から始まり・・・変な物を接続して壊さないようには・・やはり調べて覚えるしかない・・という事で調べ始めた次第です。そこで今回はThunderbolt 3について調べたので紹介したいと思います。
1.Thunderbolt 3開発の経緯
Thunderbolt 3はintelとAppleの共同開発で生まれた物ですが・・昔IEEE1394という規格があったのを覚えている人もいると思いますがIEEE1394の後継規格として開発された物がThunderboltになります。ところどころIEEE1394で使われていた・・と思える物が思い当たります。 またThunderboltも開発が進むにつれてコネクター形状も変わりThunderbolt 3になってUSB Type-Cコネクターを採用する事でそのままUSB Type-Cケーブルも接続できるようになりUSBも網羅し取り込む形で一般的に普及する事も狙っているようです。ThunderboltはMacから搭載され最近ではWindows PCでも搭載され始めています。実際にノートパソコンの製品でUSBコネクターが付いていなくThunderbolt 3コネクターが付いている物が出回り始めています。野心的な規格であるとも言え今後普及しそうな規格だと思います。現在ではThunderbolt 3の製品が出回り始めていますが規格自体はThunderbolt 4の規格が発表されたところで今後の発展に期待したいところです。
2.Thunderbolt 3のデーター
Thunderbolt(以前の名称はLight Peak)とは、データ、ビデオ、オーディオ、および電源を組み込んで1つの接続にするハードウェアインターフェイスです。Thunderboltは、PCI Express(PCIe)とDisplayPort(DP)を1つのシリアル信号に組み込み、さらにオールインワンのケーブルでDC電源を提供します。Thunderbolt 1とThunderbolt 2では同じコネクタをminiDP(DisplayPort)として使用して周辺機器類に接続しますがThunderbolt 3ではUSB Type-Cコネクタを使用します。Thunderbolt 3のコネクター(バス)で扱われているデーター、信号の伝送手段としてプロトコルとも言えますが扱う物をBIOS(UEFI)で選択しなくてはなりません。扱える物は次の表のようになりThunderbolt 3に流す事ができます。参考として周辺機器では扱うデーターを何種類か使いドッキングベイ等も製品化されています。
扱われるデーター等 |
サポート |
使用機器の例 |
PCI Expresse GEN3(パソコンの拡張カードで使われるバスのデーター) |
4レーン |
外付けビデオカードxternal graphics (eGFX) 、10G LANアダプター等が製品として市販 |
DisplayPort 1.4 (ディスプレイに画面を表示させるデーター) |
2ポート 4Kディスプレイをサポート (4096 x 2160 30bpp @ 60 Hz) |
DisplayPortやHDMIの変換アダプターやケーブルがありディスプレイに接続 |
USB(周辺機器で使われているUSBのデーター) |
10Gbpsまで。USB2.0、USB3.2 |
従来からあるUSB機器を接続できる。USB Type-Cコネクタはそのままでその他は変換アダプター使用で接続 |
Thunderbolt Networking(仮想のネットワークアダプターとして動作) |
10 Gb を超えるイーサネット帯域幅接続を提供(20Gbpsまで) |
パソコン間をThunderbolt 3ケーブルだけで接続しパソコン間のネットワークを実現 |
Power(扱われる電源) |
ノートパソコンへの充電用端子として100Wまで使用可、周辺機器への電源供給は15Wまで可能 |
ノートパソコン用ACアダプターで充電に使用。Thunderbolt 3機器であまり電力を使わない物はThunderbolt 3ケーブルで電源を供給 |
扱われるデーターのイメージ図 写し |
3.Thunderboltの速度
Thunderboltの速度は使うケーブルにも左右されるようですが各バージョンによって次のようになっています。また、USBとの比較のグラフでは圧倒的にThunderbolt 3が速くなっています。速くなったスピード、データーの中に色々なデーター(プロトコル)を載せて色々な周辺機器を使えるようにしています。
Thunderbolt 1 |
Thunderbolt 2 |
Thunderbolt 3 |
Thunderbolt 4 |
最大10 Gbps |
最大20 Gbps |
最大40 Gbps |
最大40 Gbps |
U |
Thunderbolt 3のケーブルについては大きく分けると3種類で銅線を使ったケーブルの場合は速度で考えると3種類あります。特徴としては次の表の通りになります。あと実際に地元のパソコンショップでケーブルの購入を試みましたが・・・まだあまり普及していなくて置いていなくてアップルのショップへ行ってくれと言われました。amazon等インターネットでショッピングをすれば色々と選べて購入する事ができます。まだ購入するのが難しいと思います。
ケーブルのタイプ |
サポート |
ケーブル長 |
Passive copper cables (lower cost)(パッシブの銅線ケーブルは速度により2種類あります。) |
Supports Thunderbolt, USB, and DisplayPort |
40Gbpsの場合最長0.5m 20Gbpsの場合最長2.0m |
Active copper cables(アクティブの銅線ケーブルは速度が40Gbpsのみ) |
Supports Thunderbolt and USB |
40Gbpsのみで場合最長2.0m |
Active 40Gbps optical cables(光ファイバーケーブル) |
Under development for Thunderbolt 3 |
targeting lengths up to 60m |
5.BIOS(UEFI)での設定
Thunderbolt 3を使うにはBIOS(UEFI)で使用する設定をする必要があります。BIOS(UEFI)での設定はパソコンやマザーボードによって項目が違いBIOS(UEFI)によって項目があったり・・無かったりとそれぞれ違います。まだ標準的な項目にはなっていない感じがあります。それと動作モードをどうするかを選んでやる必要があります。特に動作モードを選ぶ項目は「Security Level」の項目で選びチョット?となってしまします。「Security Level」の項目でThunderbolt 3で扱うデーターを特定したりするのもThunderbolt Networkingでのセキュリティを設定するのもこの項目になっているようでチョット分りにくくなっています。細かく設定できるBIOS(UEFI)だと「Security Level」の他にUSBをサポートするかの設定項目があるものもあります。同じメーカーでもBIOS(UEFI)によって違うようです。
例 |
例 |
6.「Security Level」の項目
BIOS(UEFI)にてThunderbolt 3コントローラを使えるように「Enable」(有効)にしますが肝心な項目は「Security Level」の項目になります。BIOS(UEFI)によっては少し項目が違うようですが代表的な項目の意味は次の表のようになります。
No security |
Thunderbolt ポートに接続されているデバイスに自動的に接続します。 |
User Authorization |
Thunderbolt ポートに接続された新しいデバイスには承認が必要です。 |
Secure Connect(セキュアな接続) |
Thunderbolt アダプタ ポートは、すでに共有キーが設定されているデバイスにのみ接続を許可します。 |
DisplayPort Only |
自動的に DisplayPort デバイスのみに接続しま。Thunderbolt アダプタまたは PCIe デバイスは接続できません。 |
7.その他の項目
その他の項目はBIOS(UEFI)によって意味や機能が違うかもしれませんが参考として紹介します。サンプルいくつか見て調べたたところ大体の機能や意味は次の表になります。
Enable Thunderbolt Technology Support |
有効の場合、Thunderbolt テクノロジーの機能および関連ポートとアダプタが有効化されます。無効の場合、Thunderbolt テクノロジー機能が無効になり、接続されたすべての Thunderbolt アダプタ デバイスはプリブート中に使用できないか、オペレーティング システムで使用できません。 |
Enable Thunderbolt Boot Support |
有効の場合、次の Thunderbolt アダプタ機能がプリブート中に有効となります。Thunderbolt アダプタ ブート サポート、Thunderbolt アダプタ上の USB デバイス サポート(USB ブート サポートを含む)。この設定では、Thunderbolt アダプタに接続されている Thunderbolt アダプタ周辺機器および USB デバイスを、BIOS プリブート中に使用することができます。ただし「Enabled」に設定すると、オペレーティング システム内で使用されるセキュリティ レベルがオーバーライドされます。この設定を有効にすると、システム起動前にすでに Thunderbolt アダプタ ポートに接続されている Thunderbolt アダプタ周辺機器および USB デバイスをプリブート中に使用することができます。デバイスが接続されている限り、BIOS で設定されているセキュリティ レベルに関係なく、オペレーティング システム内で機能し続けます。 |
Enable Thunderbolt Adapter Pre-boot Modules |
この設定を有効にすると、Thunderbolt アダプタを介して接続されている PCIe デバイス(つまり Thunderbolt アダプタの後ろにある PCIe デバイス)が、PCIe デバイスの UEFI オプション ROM(ある場合)をプリブート中に実行することができます。この設定を無効にすると、Thunderbolt アダプタの後ろで接続されている PCIe デバイスが、PCIe デバイス オプション ROM をプリブート中に実行することができません。 |
8.デバイスマネージャーでの認識
ドライバーをインストールするとユーティリティもインストールされてデバイスマネージャーで認識されるのですが「Bluetooth」のように大きな項目で認識するのではなく「システムデバイス」と「ネットワークアダプター」に追加されて認識します。
システムデバイスでの認識 |
ネットワークアダプターでの認識 |
接続別の表示ではどの下で認識されているかがわかります。 |
9.ネットワーク接続での認識
ネットワーク接続での認識はデバイスマネージャーでの認識が正常にされていると表示されます。
コントロールパネル>ネットワークとインターネット>ネットワーク接続 |
10.ユーティリティソフト
ユーティリティソフトは「Thunderboltソフトウェア」がドライバーをインストールする時に同時にインストールされます。機能としては接続の状態等を表示、接続時の設定を行います。
スタートメニューでの表示
|
タスクバーに入った状態 |
タスクバーに入ったアイコンを右クリックして「バージョン」をクリックすると「詳細」が表示されます。 Thunderbolt 3コントローラが正常に認識されていないとここも表示されません。 |
11.デイジーチェーン
ThunderboltではIEEE1394でも使われていた数珠つなぎに接続するデイジーチェーンと呼ばれる接続方法ができます。Thunderbolt 3機器同士だと1 つの Thunderbolt 3 デイジー チェーンには、コンピュータを含めて 7 台 までのデバイスを接続できます。接続の最後はディスプレイを最後のデバイスとなるようにします。
デ |
12.考察
今回のThunderbolt 3はモバイル等で使うノートパソコンを想定しているようで出先では何も付けず・・職場や家に帰った時にThunderbolt 3の周辺機器を接続して拡張して使う・・ような事が想定されているようです。ただし基本的にThunderbolt 3の周辺機器だったらMacでもWindows PCでも使える物が多いようなので両方のパソコンを持っている人は周辺機器をそろえるのに共通して使える物がそろえられるという点も見逃せないと思います。あとThunderbolt Networkingはネットワークアダプターを購入しなくてもThunderbolt 3ケーブルだけでパソコン同士を繋ぐ事ができ安く高速で接続できる点も見逃せないところだと思います。Thunderbolt 3の接続ポートも最初はMacだけでしたが現在ではWindows PCにも搭載されている製品が販売されているので今後はかなり普及すると思います。ただしUSB機器もそのまま繋がるためThunderbolt 3をあまり意識しないでUSBとして使われるのかもしれません。
今回の内容は、Thunderbolt 3についてでしたが参考になれば幸いです。
参考URL等
Thunderbolt Technology Community https://thunderbolttechnology.net/
色々