20191118

兵ちゃん


Windowsサンドボックスについて

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 Windows10にもプログラムを試す機能が無償で追加されました。そこで今回は、Windowsサンドボックスについて紹介したいと思います。



1. BIOSの確認

 Windowsサンドボックスは、BIOSの設定でCPUが持つ仮想マシン支援機能(Intel VTAMD-V)を有効にしておく必要があります。



2.Windows10のバージョンの確認

 Windows10のバージョンは、Windows 10 ProEnterpriseでのみ利用可能でWindows 10 May 2019 Updateで追加された機能になります。バージョン1903OSビルド18305)以降のバージョンである必要があります。バージョンの確認方法は、Windowsキー+Rキーを同時に押し「ファイルを指定して実行」を開き「名前」の所に「winver」と入力して[OK]をクリックする事で確認する事が出来ます。




3. インストール

 インストールはコントロールパネルから「プログラムと機能」をダブルクリックして開きます。開くと「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリックします。「Windowsサンドボックス」にチェックを入れ[OK]をクリックするとインストールが始まります。終わると「必要な変更が完了しました。」を表示して次に[今すぐ再起動]をクリックします。再起動が完了するとメニューに「Windows sandbox」が表示されます。


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4. Windowsサンドボックス

Windowsサンドボックスを動かすとデスクトップは次のようになります。実験用パソコンFHD DELL E6540Windowsサンドボックスを動かした状態です。




5. Windowsサンドボックスを使うには

 Windowsサンドボックスを使うには、そのままでは、使い勝手が悪く使いにくいのでテキストで出来ているファイルで「.wsb」の拡張子のWSBファイルを作ります。WSBファイルを作ると実機パソコン(ホスト)とWindowsサンドボックス(ゲストOS)とフォルダを共有する事ができます。そうすれば実験用のプログラムを準備してWindowsサンドボックス内に持ち込みテストする事ができます。そうです。設定する事ができます。初めて作る時の作り方は、テキストで記述して作り拡張子を表示させ「.txt」から「.wsb」に書き換えます。そうするとアイコンが変わりWSBファイルの出来上がりです。設定されたWindowsサンドボックスを使うにはWSBファイルをダブルクリックして動かします。例として「Sandbox」という名前のWSBファイルのプロパティは、次のようになります。



6.設定項目

 WSBファイルに記述する設定項目は次のようになります。


VGpu

仮想GPUを設定します。

Default – デフォルト

Disable – vGPU を使用しません。 (組み込みソフトウェアレンダリングを使用)

Enable – vGPU を使用します。

Networking

仮想NICを設定します。

Default – デフォルト

Disable – ネットワークに接続しません。

Enable – ネットワークに接続します。

MappedFolders

フォルダ マッピングを設定します。

HostFolder

ホスト上に存在する実体フォルダを指定します。ここで指定したフォルダは、サンドボックス上のデスクトップにフォルダとして出現します。

ReadOnly

読み込み専用とするかを指定します:

true – 読み込み専用にする (書き込み不可)

false – 読み込み専用にしない (読み書き可能)

LogonCommand

ログオン時に実行されるコマンドを指定します。

Commandの後に実行させたいコマンドを記述する。




7. WSBファイルの記述例

 この記述では実機のCドライブに「test001」というフォルダをWindowsサンドボックスに読ませてWindowsサンドボックスのデスクトップ上に「test001」を表示させています。それとWindowsサンドボックス起動時に自動実行されるプログラムは、メモ帳となります。


<Configuration> <VGpu>Default</VGpu>

<Networking>Default</Networking>

<MappedFolders>

<MappedFolder>

<HostFolder>C:\test001</HostFolder>

<ReadOnly>false</ReadOnly>

</MappedFolder>

</MappedFolders>

<LogonCommand>

<Command>notepad</Command>

</LogonCommand>

</Configuration>



.テスト時の注意点

 テスト時の注意点は、Windowsサンドボックスは、再起動を必要とするプログラムは使えません。再起動すると環境がリセットされて元の状態に戻ります。



9.考察

 今回のWindowsサンドボックスは、マイクロソフトが無償で提供してライセンス問題も無くありがたいのですが再起動するプログラムは利用できない等の制約もあります。あと設定ファイルの記述は、初心者には分かりにくいと思います。かえってライセンスを一つ使いOracle VM VirtualBoxを使った方が解りやすくて再起動を伴ったプログラムも使えて良いのかもしれません。今後のバージョンアップに期待したいと思います。





 今回の内容は、Windowsサンドボックスについてでしたが、導入する時の参考になれば幸いです。


参考URL

2019.07.18 Oracle VM VirtualBoxについて

色々

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