20180918

兵ちゃん


BIOS ROMチップの交換要領について


兵ちゃんの研究室へ戻る

 パソコンの故障の状態で電源スイッチを入れても何も表示されない等はBIOSが記憶されたROMが壊れてしまった可能性があります。そこで今回は、ROMの交換要領について紹介したいと思います。



  1. 故障の判定

電源スイッチを入れてもOSが起動する前にBIOSが起動しない。ディスクアクセスが無い。ノートパソコンにてバッテリーを良品と交換したがBIOSが起動しない又はディスプレイに何も表示されない場合は、BIOSアウト、ROMが壊れていると判定できます。普段何気なくパソコンを使っていて特に何もしなくてもBIOSが起動しなくなったらBIOSが記憶されたROMの故障です。



2.パソコンの分解

 ROMを交換するには初めに正常動作するパソコンからROMを読み取るために分解します。正常動作するパソコンをサンプルパソコンとします。このサンプルパソコンをROMが取り外せるように分解します。DELLのパソコンだったらオーナーズマニュアルに従って分解します。



3.ROMを探す

 まずはマザーボード上に付いているBIOS ROMを探します。特定できたらインターネットを使いROMであるか確認します。無かったらピンアサインを確認して互換品を探す事になるのですが・・・ROMチップメーカーは、後継のROMを製造している事もありメーカー、シリーズ名、記憶容量の型番を表記したROMチップを探して入手します。ROMの表記上末尾にアルファベットの符号が付きますがリビジョンを表しておりあまり考えなくても良い。



4.装着方法を記録する

 ROMチップがマザーボード上にどのようにレイアウトされ付いていたかを記録します。重要なのは1番ピンがどこに付いていたかをメモでも良いので記録しておきます。



5.電気的特性の記録

 ROMチップが基板に装着されていた時のピン間の導通をマルチメーターで測定し記録しておきます。正常なROMチップの端子間(隣のピン同士、例えば1番ピン-2番ピンは〇〇Ω等)を記録しておけばROMチップを半田付けで取り付けた後に点検する事ができます。



6.ROMチップの取り外し

 ソケットが使われていれば簡単ですが・・・半田付けがしてあったならば半田ごてを使いROMチップの端子を素早く加熱してROMチップを取り外します。取外せない場合は、チップの足を切断し取り外し足の先は半田ごてで溶かしながら1個ずつ取外していきます。無理に力を加えると基板のパターンが損傷します。必ず半田を溶かして少しずつ取外して下さい。



7.ROMチップの清掃

 ソケットが使われていればやる必要が無いのですが・・・半田付けがしてあった場合は、ROMライターで読み取れるように取外したROMチップのピンについている半田をなるべく取ります。取外したマザーボードの接点もきれいにします。



8.ROMチップのバックアップ

 ROMライターを使いBIOS ROMチップを読取りパソコンにファイルとして保存します。読み取るにはテストクリップを使い読み取ります。



9.ROMの複製

 パソコン内にファイルとして保存しているファイルからROMライターを使い新しいROMに書き込みます。



10.ROMチップの取付け

 ソケットが使われていれば簡単ですが半田付けの場合は、ROMチップの端子間が付かないように半田付けをします。



11.半田付けの確認

 ROMチップの端子間が接触していないか電気的特性の記録した値を使いマルチメーターでチェックします。OKならば次へ進みます。ショート(約)してダメなら半田付けをやり直します。



12.サンプルパソコンの組み立て

 元通り組み立てます。DELLのパソコンのようにオーナーズマニュアルがある場合は、マニュアルに従って組み立てます。



13.サンプルパソコンの点検

 組立終わったサンプルパソコンの電源スイッチを入れて正常に動作するか確認します。ここでダメなら再度分解してROMチップの半田付けをやり直します。正常に動作するなら次へ進みます。



14.故障パソコンの分解

 ROMチップが壊れたパソコンを分解します。DELLのパソコンのようにオーナーズマニュアルがあればマニュアルに従って分解します。



15.壊れたROMチップの取り外し

半田ごてを使い加熱したら素早くROMチップを取り外します。



16.マザーボードの接点の清掃

 ROMチップが付いていた箇所の半田をなるべく取り除きます。半田付け不良を防ぐためにきれいにします。



17.ROMチップの取付け

 BIOSのデータを書き込んだROMチップをマザーボードに取り付けます。



18.半田付けの確認

 ROMチップの端子間が接触していないか電気的特性を記録した値を使いマルチメーターでチェックします。OKなら次に進みます。ショート(約)してダメなら半田付けをやり直します。



19.故障パソコンの組み立て

故障パソコンを組み立てます。オーナーズマニュアルがあればマニュアルに従って組み立てます。



20.故障パソコンの点検

 組立終わった故障パソコンに電源スイッチを入れて正常に動作するか確認します。BIOSが起動した後にOSが起動すればOKで完了です。BIOSROMチップ交換完了です。



21.考察

 今回のROMと表記していますが、正確にはEPROMになります。電気的に書き換え可能なROMです。あと、半田付けを上手に行うには練習しかないので実際にやってみるしかありません。






 今回の内容は、BIOS ROMチップの交換要領についてでしたが交換する時の参考になれば幸いです。


参考URL

XGecu TL866II Plus USB High Performance Programmer  http://autoelectric.cn/EN/TL866_main.html

ALLDATASHEET.COM - Datasheet search site for Electronic Components and Semiconductors and other semiconductors  http://www.alldatasheet.com/

色々

3